Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

出張におけるストレスの原因トップ5

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●ヨーロッパとオセアニアで行われた最新の調査で、出張者のストレス、鬱、不安を増加させる主な要因が判明しました。
●オーストラリアでは企業の半数近くが出張者にメンタルヘルスのサポートを提供していないことがわかりました。
●海外での任務(出張・駐在)が不測の事態によって遂行できなかった場合の平均的な損失は95万ドルに上ります。

インターナショナル SOSの調査によると、出張が社員のメンタルヘルスに及ぼす影響と、企業が出張者に対してメンタルヘルスケアの積極的なサポートをする必要があることが判明しました。毎年100万人近くのオーストラリア人が海外出張をしますが、その際にストレスや鬱、不安症のリスクが増加し、甚大な影響をおよぼす可能性があります。

出張者のストレス要因トップ5

1. タイムゾーンの変化(時差ボケ)
2. 睡眠や食事の質の低下
3. ワークライフバランスの不均衡
4. 家族や友人などから物理的に離れることによる孤独感
5. 異なる企業文化や組織構造への違和感


上記が出張者のストレス要因トップ5であることがわかりました。 

また、オーストラリアとニュージーランド合わせて約100社の企業において、44%が出張者に対するメンタルヘルスのサポートを行っていないことが判明しました。さらに、サポートを行っていると回答した企業でも、積極的に社員に告知をしている企業はその半数にも届かないことが分かりました。

「社員のメンタルヘルスと仕事の生産性が関連していることが明確になってきた今、経営陣は出張者と駐在員のメンタルヘルスケアを考慮に入れる必要があります。」とリージョナルメディカルディレクターのアンドリュー・エブリンガー博士は言います。 「海外での任務(出張・駐在)が不測の事態によって完遂できなかった場合の、平均的な損失は95万ドルに上ります。企業は海外での任務がうまくいくよう投資をしますが、往々にしてメンタルヘルスケアを見落としがちです。」 

長期・短期にかかわらず全ての出張者にメンタルヘルスケアが必要

メンタルヘルスケアが必要なのは何も長期出張者に限りません。短期でも頻繁に出張する社員は、オフィスから離れている分、日常的なデスクワークの時間が奪われるため、仕事が溜まり不安感が増大する場合があります。また家庭でも不在がちになり、責任や負担のバランスが崩れることで、家庭内の不協和音を招く可能性もあります。※2。 

「社員を短期や長期の海外出張に送り出す企業は渡航先に合わせて出張前にメンタルサポートを行い、予想外の事案や事故が発生した場合は速やかに対処できる応答型サポートシステムを用意することを検討すべきです。」とエブリンガー博士は言います。 

過去に出張者に最も影響を与えた事案は以下のとおりです。 

・ハイリスクな環境での仕事(滞在国や職場がハイリスク)50%
・個人的な事案(性的暴行、窃盗/強盗、交通事故、職場での負傷等)45%
・テロまたは天災(地震)33%
・同僚の死や大きなケガ 21%


オーストラリア人の45%が、人生で一度は何かしらの精神疾患を患うと推定されています※3。しかし調査した企業の87%は、出張の前または後に社員のメンタルヘルスのチェックを行っていません。 メンタルヘルスの管理を行う場合、雇用者は安全配慮義務の一環として、何かが起こった際に即対応できる準備と、起きないように事前にアクションをする二つのアプローチを組み合わせることが重要になります。

「出張時の社員の、総合的な心身の健康サポートは、医療・安全・精神面の3つの側面を包括的かつ一体型の渡航リスク管理サービスとして、企業が出張者に対して提供すべきです。」とエブリンガー博士は言います。

調査について
2017年出張とメンタルヘルスケア調査はInternational SOSがオーストラリアで2017年8月1日から10月16日まで、ヨーロッパで4月27日から6月30日まで、企業・団体の出張者の健康、安全、福祉を管理する担当者に対して行ったものです。調査結果はオーストラリアとニュージーランドの大手企業約100社とヨーロッパの139の組織の回答を表しています。 

※1 2012年に海外に出た800万人のオーストラリア人のうち、10%が仕事による出張だったことを示すオーストラリア統計局のデータに基づく。 https://auspost.com.au/travel-essentials/how-australians-travel

※2 2015年に行われたスコット・コーエンとステファン・ゴスリングの調査「超出張族の闇」に基づく。
http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0308518X15597124

※3 2007年の「メンタルヘルスと福祉」に関する全国調査によると、16~85歳のオーストラリア人1600万人の約半数(45%、730万人)が人生で一度は精神疾患を患った事があります。
http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/Latestproducts/4326.0Main%20Features32007

インターナショナルSOSは、海外で活躍される企業や
その社員の方々に医療とセキュリティのアシスタンスサービスを
提供しています。詳細は下記webサイトをご覧ください。
http://www.internationalsos.co.jp/

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