Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

【第4回勉強会】セキュリティアシスタンスをもっと知ろう !

COVID-19の感染拡大をきっかけに、2020年11月よりスタートした会員企業様同士のコミュニケーションの場である「勉強会」の第4回が2021年2月19日に開催されました。今回は、「セキュリティアシスタンスをもっと知ろう !」と題し、弊社セキュリティ・ディレクターからセキュリティ業務の舞台裏などを含めた紹介があり、各社でのセキュリティアシスタンスの活用方法など、予定時間を超える活発な議論が行われましたので、その内容をレポートさせていただきます。

 最初に2月1日にミャンマーで起きたクーデターについて、リスクレベルが「Stand-by(待機)」に引き上げられたという"ホットトピックス"から入り、安全配慮義務(以下Duty of Care)を果たすために、弊社のセキュリティアシスタンスがどのように活用できるかを、以下の5つの側面からご紹介しました。

●アラートメールの配信("たびレジ"との違い)
 本社HQのスタッフ、海外勤務者、出張者が国などの地域を指定しておくとアラートメールが届きますが、外務省の"たびレジ"との大きな違いは、起きた事件などを専門家が分析し、今後のことを予測し、アドバイスをアラートメールにビルトインしていることです。それによって、起こった事件をその時点の状況として知らせるだけではなく、それを読んだ人が次のアクションに移せるようにし、リスクを事前に防ぐことを目的としているのが弊社のアラートメールの特徴です。したがって、外務省の"たびレジ"にプラスして、このアラートメールの登録を海外勤務者、出張者に必須とし、Duty of Careを果たすために活用している企業が非常に多くあります。

●海外安全情報
 アラートメールだけでなく、会員企業の方々が自由に閲覧できるポータルサイトでは、国レベルだけでなく都市レベルの粒度のリスク情報が掲載されています。さらにCOVID-19影響下ということもあり、「COVID-19による渡航規制をまとめたサイト」、冒頭のミャンマーのように刻々と変化する流動的な状態をリアルタイムに日時更新する「Crisis Information ミャンマー特設サイト」など、緊急時のクライシスマネジメント支援に即刻役立つ情報などもニーズに合わせ適宜ご用意しています。

●渡航前の海外安全アドバイス
 特に海外出張者においては出張期間が決まると、事前に出張先の危険情報を知っておくことは非常に重要な危険回避になります(リスクマネジメント)。そのため、弊社のセキュリティチームは以下の図のような「渡航前の海外安全アドバイス」をリクエストに応じて個別に作成し提供しています。これは会員企業様から依頼のあった地域と日時に対し個別に対応しているので、会員の方々にはご満足をいただいているサービスでもありますが、Duty of Careとして危険を回避するには事前の情報の把握が重要になります(Duty of CareのKPIとしては、KPI 6:政情不安等の問題、KPI 7:治安・安全情報)。

図1.PNG
図1 渡航前の海外安全アドバイス

●緊急時の国外避難支援(インド)
 2020年4月にはCOVID-19影響下において、インドにおける赴任者の方の退避支援をサポートさせていただきましたので、その退避事例を紹介しました。退避ロジステックスには企業側のニーズとしてコストの要素もあり、それほど単純なものではなく、多くのステークホルダーとの調整や現地の複雑な事情が加味されましたが、無事退避を行うことができました(現地のスタッフのパスポート情報などの一元管理も事前準備として重要)。

●各種コンサルティングサービス
 上記の4つのサービスに加えて、以下のようにコンサルティングサービスとして、リスクマネジメントのガイドラインの作成、各種トレーニング、ワークショップ、本格的なセキュリティのマネージドサービス(BOP)などのオプションサービスも取り揃え、ニーズに合わせて会員企業様にご利用いただいております。

 海外安全対策セミナー
 退避計画策定
 セキュリティガイドライン策定
 緊急対応ワークショップ
 セキュリティマネージドサービス

●セキュリティサービスの裏側
 フレンチの三ツ星レストランに行くと厨房を見学させてくれるのと同じように、今回は上記の5つのセキュリティサービスがどのような体制や考え方、ルールで行われているかなどの裏側までも紹介されました。
 アラートメールは1か所集中でなく、世界5か所でリアルとネットを活用し情報収集、組織のダイバーシティーはあらゆる国籍と多様な経歴で構成、現地情報のデータベースの充実度、平時にアシスタンス計画などが策定されているなどなど、セキュリティサービスの厨房の中は想像以上にシステマテックに運営されていることが分かりました。

 そして、会員企業様からは以下の質問やお声をいただきました。

 「コンテンツが非常に充実していて、こういうものがあるんだ、という新しい発見があり、驚くことが多い」
 「アラートメールはチームのメーリングリストで受信し、スペシャルアラートは見落とすことなく、すぐに対応できる体制を構築している」
 「こういう状況で何を準備しなければならないかに注力し、教育の徹底とアプリの全員活用などDuty of Careの組織的レディネス向上に力を入れ、フル活用している」

 また最後にセキュリティ・ディレクターから、「リスクはいつどこで起きてもおかしくないので、想定したリスクに対し社内外のプロシージャ―を事前に決め、普段から訓練などを行うことが、Duty of Careを果たすためには極めて重要である」というアドバイスがあり、予定時間をオーバーする活発な勉強会になりました。


              【参考】安全配慮義務(Duty of Care)を果たすとは何か

     ① 物的、人的環境の整備
              KPI 1:事業所・居住場所等の選定、セキュリティ体制の確認
              KPI 2:社用車の要否及び選定
              KPI 3:警備員、運転手の配置
              KPI 4:予防接種その他の医療のサポートの提供
              KPI 5:法律、コンプライアンス等のサポートの提供         

     ② 安全教育の徹底(赴任前トレーニング等)
              KPI 6:政情不安等の問題
              KPI 7:治安・安全情報
              KPI 8:医療・衛生環境についての情報
              KPI 9:ビジネス環境、法的リスク等に関する情報
              KPI 10:危機状況の対応方法

     ③ 問題が生じた場合の対応体制の整備
              KPI 11:本社等への連絡、相談体制
              KPI 12:家族への連絡
              KPI 13:適切な医療機関等との連携
              KPI 14:警察その他の関係当局、大使館等との連携
              KPI 15:航空機を含む交通手段の手配、現地からの緊急出国、帰国等の手配
              KPI 16:外部専門家等との連携   

※勉強会で共有された資料「セキュリティアシスタンスをもっと知ろう!」(PDF)をご希望のお客様は、お手数をお掛けしますが、下記リンクよりリクエストフォームにご記入下さい。後日弊社営業担当より資料を送付させていただきます。
https://my.internationalsos.com/LP=7107?source=HP_DLREQ_DutyOfCareBlog_19 Feb 2021

「グローバル人材を守る健康と安全の提言書」
(ベーカー&マッケンジー法律事務所とInternational SOS Foundation共著 2015年11月作成)
Employer's Duty of Care in Japan Positioning Paper
(English) Published by the Baker McKenzie and the International SOS Foundation. Outlines the Duty of Care for businesses operating in Japan.
https://www.internationalsosfoundation.org/apac

 

インターナショナルSOSは、海外で活躍される企業や
その社員の方々に医療とセキュリティのアシスタンスサービスを
提供しています。詳細は下記webサイトをご覧ください。
http://www.internationalsos.co.jp/

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