Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

【4月勉強会】Duty of Careから考える、コロナ禍のアシスタンスサービス

 COVID-19の感染拡大により未曽有の事態の幕開けとなった2020年をきっかけに、弊社では会員企業様同士のコミュニケーションを目的として、定期的に勉強会を開催しております。今回の勉強会(第6回4月15日開催)は、「Duty of Careから考える、コロナ禍のアシスタンスサービス」と題し、弊社メディカルディレクターを中心として、コロナ禍のアシスタンスを深める場を企画いたしました。

 弊社のメディカルディレクターは、東京のメディカルチームの責任者として、皆様からの日々のお問合せに対してメディカルチームを指揮するのみならず、COVID-19陽性者の搬送も経験しております。コロナ禍でのアシスタンスをお伝えするとともに、複雑化する状況の中、アシスタンスがスムーズに行えるよう、キーとなる管理者の皆様へのお願いも伝えさせて頂きました。
 当日は70名近くの皆様にご参加頂き、質問も多く頂き、非常に活発な勉強会となりました。

●コロナ禍のアシスタンスサービス

 COVID-19は多くの場合は軽症であること、また各国で医療状況もひっ迫も発生している中で、自宅療養となるケースが多い状況です。その中で弊社では、自宅療養中に、定期的に医師より連絡を差し上げることで、病院に行くタイミング、その他リスク因子(既往症)なども含め医学的観点でモニタリングいたします。それにより、医療機関に入ることなく医学的見解を得ることができます。このモニタリングでは、患者様と直接お話しすることで、リスク因子の特定に繋げれるため、直接患者様と話をすることが、医学的にとても重要なのです。さらに、患者様にも安心感を与えることができるというメリットもあります。
 すでにこのモニタリングを経験された企業様からも、企業の管理者では状況を聞いても判断できないため、非常に心強かったとのお声を頂きました。

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図1 コロナ禍における医療アシスタンス


●コロナ禍の医療搬送

 COVID-19の前後では医療搬送の概念も大きく変わりました。
 各国の入国・移動制限が強まり、近隣の医療先進国との往来も容易でなくなり、搬送手配も以前より複雑化したことでより時間を要すようになってしまいました。そのため、中等度以上のリスクがある国においては、できる限り早めに医療搬送の検討を開始することが大切です。また、待つことのリスクが現地での治療リスクを上回る症例も多いため、現地で治療するケースも増えています。第3国への搬送が非常に難しく、本国搬送がほとんどとなり飛行時間も長時間となりました。

 さらにここでは、高度肥満、睡眠時無呼吸症候群、肝機能障害、未治療の糖尿病、多血症のリスクのある陽性者のインドネシアから日本への医療搬送のケーススタディをご紹介することで、医療搬送において避けて通れない以下の障壁への弊社ならではの対処方法などをお伝えさせていただきました。とにかく、COVID-19陽性患者の医療搬送は通常の医療搬送と違い、越えなければならないハードルが高く、困難を極めますが、弊社のグローバルな知見からそれらをクリアーすることができ、無事日本に搬送することができました。
 会員企業の従業員が健康で、少しでも安心してご活躍いただけるよう、これからもチャレンジしていきたいと思います。

・インドネシアチームのビザ免除
・迅速な離着陸許可
・東京でのCrew restをいかに回避するか
・渡航前PCR検査要件の変更
・シンガポール政府の隔離例外措置の取付
・人手の問題

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図2 COVID-19で変化した医療アシスタンス・医療搬送の常識


●COVID-19陽性者の搬送時に、管理者が認識するべきこと

 複雑な要素が絡み合う医療搬送では、チームプレイが大変重要になります。
 現地大使館との連携、産業医の連携や調整、各企業様で日本で強いパイプのある医療機関があればお伝えいただけると、多岐にわたるボトルネックの一つである受け入れ病院の選択が解消され、リードタイムを短くすることが可能です。
 特に、緊急連絡担当者様より、早めに承認を頂く事は医療搬送において非常に重要です。万一の事態に備え、週末でも迅速に判断できる体制かなど(医療搬送の様な高額ケース含む)、この機会にご確認頂く事を推奨いたします。
(医療搬送のクライシスマネジメントとして、管理者の判断のプロシージャ―の有無は命に係わる重要な問題)

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図3 医療搬送のボトルネック


 勉強会後も弊社メディカルディレクターとの交流の時間を設け、時間を超えているにもかかわらず交流会にも多くの方にご参加頂き、今回も大盛況のうちに終了いたしました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

 次回の勉強会は、5月20日(木)14:00に開催予定です。
ご興味のある方は、各営業担当までお知らせください。


【参考】安全配慮義務(Duty of Care)を果たすとは何か

    ① 物的、人的環境の整備
     KPI 1:事業所・居住場所等の選定、セキュリティ体制の確認
     KPI 2:社用車の要否及び選定
     KPI 3:警備員、運転手の配置
     KPI 4:予防接種その他の医療のサポートの提供
     KPI 5:法律、コンプライアンス等のサポートの提供

    ② 安全教育の徹底(赴任前トレーニング等)
     KPI 6:政情不安等の問題
     KPI 7:治安・安全情報
     KPI 8:医療・衛生環境についての情報
     KPI 9:ビジネス環境、法的リスク等に関する情報
     KPI 10:危機状況の対応方法

    ③ 問題が生じた場合の対応体制の整備
     KPI 11:本社等への連絡、相談体制
     KPI 12:家族への連絡
     KPI 13:適切な医療機関等との連携
     KPI 14:警察その他の関係当局、大使館等との連携
     KPI 15:航空機を含む交通手段の手配、現地からの緊急出国、帰国等の手配
     KPI 16:外部専門家等との連携

※勉強会で共有された資料「Duty of Careから考える、コロナ禍のアシスタンスサービス」(PDF)をご希望のお客様は、お手数をお掛けしますが、下記リンクよりリクエストフォームにご記入下さい。後日弊社営業担当より資料を送付させていただきます。
https://my.internationalsos.com/LP=7334

「グローバル人材を守る健康と安全の提言書」
(ベーカー&マッケンジー法律事務所とInternational SOS Foundation共著 2015年11月作成)
Employer's Duty of Care in Japan Positioning Paper
(English) Published by the Baker McKenzie and the International SOS Foundation. Outlines the Duty of Care for businesses operating in Japan.
https://www.internationalsosfoundation.org/apac

インターナショナルSOSは、海外で活躍される企業や
その社員の方々に医療とセキュリティのアシスタンスサービスを
提供しています。詳細は下記webサイトをご覧ください。
http://www.internationalsos.co.jp/

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