Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

録画ウェビナーレポート(7/27(火)/ 7/29(木)/ 8/4(水)開催)

 2021年もすでに半年が過ぎましたが、COVID-19は、政治経済的な混乱、社会問題の悪化、メンタルヘルスの問題など複合的に組織に様々な課題をもたらしています。


 このような状況下で、組織は従業員の健康と安全に関するリスクに対応しながら、事業を安全に継続していくためにどのような危機管理を行っていけばよいのかについて、インターナショナルSOSのリージョナル・メディカルディレクター野村医師とセキュリティ・ディレクター黒木より、『COVID-19の影響による従業員の健康と安全に関するリスク認識の変化、リスク管理における留意点と対応策』と題し、以下のトピックについてお話させていただきました。

(7/27(火)/ 7/29(木)/ 8/4(水)開催)

•  COVID-19影響下による従業員の健康と安全に関するリスク認識の変化
   (弊社独自アンケート結果より)

•  東京アシスタンスセンターへのよくある問い合わせと事例紹介
   (COVID-19関連、渡航再開、ワクチンなど)

•  従業員の健康と安全のリスクに対する留意点と対応策(会員様限定公開)
   COVID-19陽性者の医療搬送
   業務再開
   メンタルヘルス
   ワクチンハラスメント
   パンデミックからエンデミックへ
   危機発生時のコミュニケーション対応
   危機対応計画の整備

 まず、COVID-19影響下による従業員の健康と安全に関するリスク認識の変化を調査結果をもとにお伝えしました。
インターナショナルSOSでは、毎年、全世界の従業員の健康と安全に対するリスクを管理する方を対象に、健康と安全面に関するリスク認識について調査(トレンドウォッチ)を実施しています。2020年は9月に実施しましたが、今年の上半期においてリスク認識がどのように変化しているかを把握させていただくために、2021年5月~6月に再度調査を実施しました。回答対象国と回答数は以下の通りです。

•  回答国:ヨーロッパ、ロシア、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、北南アメリカ、中東、北アフリカ、サブサハラアフリカ
•  回答数:100以上

 以下調査結果をご確認ください。皆様の組織では、どのような要因が生産性向上を阻害するのか、またどのような点が従業員の方の健康と安全を守るための対策において課題になっていますでしょうか。


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 次に、東京アシスタンスセンター(24/7)に、会員の皆様から寄せられている、よくあるお問い合わせ内容をシェアさせていただきました。

 野村医師から、医療面について、以下の内容をお伝えしました。

 6月中旬以降から、東京アシスタンスセンター(24/7)へ、全世界から日本人のCOVID-19陽性患者からのお問い合わせが急増しており、100件以上のケースを取り扱っております。特に6月下旬以降、COVID-19の感染が急拡大しているインドネシアからのお問い合わせも多い状況です。(2021年7月12日現在)

お問い合わせ例:

•  自宅療養をしているが、容体が悪化したのでインドネシアでの入院先を紹介してほしい

•  容体が重症化の恐れがあるので医療搬送をしてほしい

 上記に関しては、東京アシスタンスセンターの医師とロジスティックの専門家、現地医師とロジスティックの専門家による連携でサポートさせていただいております。


 また、ワクチン接種普及率上昇により、再渡航を検討されている組織が増えてきているため、渡航前や渡航先に関する問い合わせも多くあります。

お問い合わせ例:

•  インドネシアで推奨できる病院を教えてほしい

•  インドネシアでのPCR検査を受けられる医療機関を紹介してほしい


 こちらに関しては、弊社のグローバル・アシスタンス・ネットワーク部門(以下GAN)が独自に実施する品質評価に満たした医療機関をご紹介しています。(GAN、品質評価方法についての記事:https://www.internationalsos.co.jp/blog/2021/06/8.html)
弊社のデータベースにはない都市部から離れている地域での病院紹介の場合には、現地のアシスタンスセンターに問い合わせをし、現地と連携を取りながら情報を提供しています。

 引き続きワクチンに関するお問い合わせも多数受けています。

お問い合わせ例:

質問1.ワクチン接種による免疫はどのくらい持続する?
回答1. 製薬会社でデータを収集している状況なので不明

質問2.ワクチンの追加接種はしたほうがよい?
回答2. 必要になると推測(免疫力低下、変異株に対応するため)

質問3.1回目と2回目のワクチンの種類が違っても大丈夫?
回答3. 各製薬会社の添付文書通りの用法、用量に従って同じ種類のワクチンを接種することを推奨(ある事情があり別の 種類のワクチンを接種する必要がある方は医師に相談することを推奨)

質問4.ワクチンパスポートを携帯したほうがよい?
回答4. 国によっては、携帯した方が行動範囲が広がる場合もあるので、推奨する(ワクチンパスポートを禁止している国もあるので注意)

 COVID-19の感染拡大が始まってから約1年半が経過しましたが、東京アシスタンスセンターでは、COVID-19関連に関わらず、海外出張や海外勤務をされる方の健康面についてサポートをしております。渡航前に不安があるとき、渡航中、帰国された後でもいつでもお問い合わせください。
 東京アシスタンスセンター(24/7):+81-3-3560-7170

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 黒木からは、セキュリティ面について、以下よくあるお問い合わせ内容とアドバイスをシェアさせていただきました。事前に十分な情報を入手し、対策を講じることが非常に大切です。

1)新規出張・入国規制について
質問:ドバイへの出張に関し、ドバイ空港到着後のPCR検査有無、手続き方法についてアドバイスいただきたい。
回答:最新の入国規制関連、入国後の行動規制関連などの情報、COVID-19の影響による治安関連について弊社セキュリティチームから情報入手していただくことを推奨。(さらなる安全の確保、出張の成功の角度をあげていただくため)

2)ミャンマー軍による政権奪取関連について
質問1. ミャンマーでの衛星電話の持ち込み・現地での契約等について情報お持ちですか。現時点では持ち込みも法的に危険であり、現地でも提供できる業者がいないのであればアドバイスいただきたい。
回答1. 衛星電話の持ち込みが禁止されている中、通信が取れなくなってしまった場合、どのように準備していけばよいのかを具体的にアドバイス。


質問2.緊急退避についての判断基準、トリガーの考え方についてアドバイスいただきたい。
回答2. 弊社から配信しているアラートメール(治安状況、退避レベル)から情報を常に取得する、所在している場所においてどのような準備をしたらよいのかをアドバイス。

3)イスラエル危機について
質問:イスラエル国内はミサイルが飛び交う緊張状態が続いておりますが、このような状況の中で出張者を即座に帰国させるべきかアドバイスいただきたい。
回答:必ずしも動く必要があるのかのは、場所による。そのため安全な場所を事前に確認をしておき、空襲警報が鳴ったらすぐに移動できるように対応しておくことをアドバイス。

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 以下の内容は会員様限定公開にて、より具体的に留意する点やアドバイスをさせていただきました。

 医療搬送:
 パンデミック影響下においても、COVID-19陽性患者や非陽性患者の医療搬送をシームレスに行えるよう、全世界のネットワークを活用して対応しています。
 ただパンデミック前の医療搬送とは違い、現在ロジスティック面などの準備に多くの時間を要するため注意が必要です。さらに、日本の医療機関の受入れ状況も把握する必要があります。帰国できたとしても受入れ状況が逼迫している場合には入院できない場合があるためです。

 業務再開:
 ワクチン接種の普及率が上がると同時に、業務再開への対応を開始し始めている組織もあります。以下のポイントについて確認し、対応されることをお勧めします。もし詳しいアドバイスやサポートが必要な場合には、インターナショナルSOSの医療チームがお客様の職場にあわせてお手伝いいたします。

  1. リスクアセスメント
  2. 職場のゾーニングと社会的距離
  3. 入口でのスクリーニング
  4. スタッフトレーニング
  5. 従業員と管理者のコミュニケーション
  6. 感染者が出た場合の対応


 メンタルヘルス:
 パンデミックが長期化することにより、以前とは異なった環境がメンタルヘルスにおいても大きく影響を与えています。野村医師からは、どのような事象がメンタルヘルスに影響しているのか、また今後は、プロアクティブにメンタルヘルスサポートを行っていく必要性をお伝えしました。

•  パンデミックがメンタルヘルスへ影響を与えている事項

•  新たな習慣や生活様式

•  感染への恐れ

•  ソーシャルディスタンシングのガイドラインの不明瞭さ

•  信頼性の低いメディアからの情報

•  不安を煽る行為、等

 インターナショナルSOSの医療チームでは、従業員の方からお話を伺ったうえで、メンタルヘルスの専門家によるサポートを提供しています。

 ワクチン接種の普及率が上がっている一方で、ワクチンハラスメントについても、個人レベルおよび組織レベルにおいて留意する必要があります。

 最後に、野村医師からは、今後もCOVID-19の対策をしながら、COVID-19と共存していくことになるだろうという見解を示しました。

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 冒頭でご紹介した、2021年に実施した調査(トレンドウォッチ)によりますと、約45%の方が、組織において危機発生時のコミュニケーション対応が今後課題になっていくだろうと回答されています。(2020年の調査より13%増加)

 記憶に新しいのは、ミャンマーでのクーデター発生時(2021年2月)、通信が遮断されました。その対策として衛星電話の整備を検討されたかと思いますが、メリット、デメリットをしっかりと理解し、事前に組織が決めておくべきことを整理しておくことがとても重要です。さらに、危機発生時に慌てずに対応できるよう、事前に本社側と現地側でしっかり話し合い、対応策を決めていくことが必須です。

 COVID-19影響下による入国規制に伴い、危機悪化時において第3国への退避は実質不可能になっていることから、危機対応計画の整備が必須となっています。組織において、以下の項目を認識し、確認および検討する必要があります。

•  査証なしでの入国が実質不可能(日本への帰国を余儀なくされる)

•  PCR検査の陰性証明の取得

•  陽性者がでた場合の方針確認

•  乗り継ぎ制限の確認

•  国外退避できない場合の代替案の検討

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  ご参加いただいたお客様からは、以下のようなコメントをいだだきました。
"危機が発生してからではなく、予め危機発生時の対応を検討することの重要性を理解できた。"
"コロナ禍でのリスクマネジメントについての概要が理解できた。"
"感染症対策以外にも、メンタルヘルスが重要になってきていることも認識できた。"


 以下は、各組織において、従業員の方の健康および安全対策について現時点で最も優先しているトップ3の項目です。
(弊社録画ウェビナーアンケート結果より)

•  感染症対策

•  最新の医療とセキュリティ情報取得とコミュニケーション方法

•  渡航再開サポート

 その他、従業員への健康と安全に関する教育や、COVID-19ワクチン接種におけるガイドラインの見直しと策定の項目においても対策をとられてる方もおられました。

 COVID-19影響下の中においても、どのように貴組織の従業員の皆様の健康と安全を守りながら、安全に事業を継続すればよいのかのアドバイスやリスクマネジメントへの体制づくりを、医療とセキュリティの専門家よりお手伝いいたします。

 健康面と安全面のリスク対策について詳しい説明をご希望のお客様は、下記よりお問合せ下さい。

https://my.internationalsos.com/LP=7744

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