Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

新しい規格ISO31010と渡航リスク軽減への影響を理解する

 COVID-19ワクチン接種率の上昇や各国の入国規制の緩和により、組織は徐々に渡航再開を始めています。その一方で、この予測困難な時代において、海外出張や海外赴任を任命する際に、組織に求められる従業員に対する安全配慮義務はより一層重要視されると考えられます。


 このような状況の中、渡航リスク管理における国際的な新しいISO規格「ISO31030:2021 - 組織向けの渡航リスク管理の指針」が2021年9月に発行されました。これは、従業員を守るための非常に重要な指針となります。ISO31030は、組織の従業員に対する安全配慮義務を履行するという観点から、渡航リスク管理の方針およびプログラムの開発、実施、評価、見直し、ならびに渡航リスクの評価と処置に関する構造的なアプローチを提供しています。


 「渡航リスク」が指すのは、交通事故や健康被害などの事象から、疾病の発生、疫病、自然災害、さらには紛争、犯罪、治安、渡航者の健康(精神的なものを含む)に至るまで様々なものにおよび、それらは渡航目的の結果に悪影響を及ぼす可能性があります。


 ISO31030は、上述の渡航リスクを真剣に受け止め、渡航リスク対策に十分な投資を行い、効果的に渡航リスク管理の文化を促進することにより、以下のような認識とメリット獲得の実現を目的としています。

- 安全配慮義務の履行
- 経営陣のコミットメントに訴求できる
- 事業継続能力と組織のレジリエンスに貢献する
- サステナビリティの社会的側面を強化することにより、持続可能な開発目標の達成に貢献する
- 渡航関連の健康、安全、セキュリティ対策に対する従業員の信頼性を向上させる
- 高リスク地域へのビジネスを可能にする
- 組織の評判と信頼性の向上、結果としての競争力、離職率、人材獲得にプラスの効果をもたらす
- 経済的、法的リスクを軽減する
- 一般的な生産性の向上


 これまで各組織で試行錯誤してきた渡航リスク管理に国際的なベンチマークができたことにより、渡航リスク管理においてどのように取り組むべきなのか対策を立てやすくなり、またより良い意思決定ができるのではないかと考えられます。さらに、組織が渡航にまつわる安全配慮義務を遂行する上で、経営層は説明責任を持つことになると想定されます。


 先日、「SECURITY SHOW 2022」内でのセミナー(主催:ASISインターナショナル様/開催日:2022年3月3日)で、弊社のセキュリティ・ディレクターが、ISO31030「渡航リスク管理の指針」についてお話ししました。新しいISO規格であるISO31030:2021「渡航リスク管理の指針」の概要、メリット、プログラム作成方法や活用方法など解説させていただきました。セミナーの動画をご用意しております。本規格を詳しく知りたい、また視聴をご希望のお客様は、リクエストフォームにご記入ください。追って担当者よりご案内させていただきます。
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 なお、ISO31030:2021の作成においては、長年にわたる実務経験や専門知識に基づき、弊社の医師およびセキュリティ専門家が本規格作成にあたり、国際標準化機構(ISO)に対してアドバイス並びにサポートを提供しました。弊社では、「ISO31030:2021」に基づき渡航リスク管理を始めたい、もしくは再構築したい組織に対しても最適なご提案をすることが可能です。また弊社のサービス「ワークフォース・レジリエンス」は、この規格を遵守し、効果的・効率的に渡航者のリスク・マネジメントを行うことをサポートすることができるソリューションです。ISO31030:2021についてご質問がございましたら、弊社までお問い合わせください。

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