Blog on Duty of Care 海外における企業の安全配慮義務

「2021年デューティ・オブ・ケア・アワード」受賞社のケーススタディ【日本語版】 第二弾COVID-19への敏捷性 & レスポンス賞

先月、プレスリリースにてご紹介させていただきました、2021年デューティ・オブ・ケア・アワード(インターナショナルSOS財団)受賞社であるフォーチュン・ブランズ・ホーム & セキュリティー社のケーススタディを日本語にてご紹介いたします。ぜひ、組織の従業員に対する安全配慮義務を履行するためのヒントとしてご活用いただけますと幸いです。

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COVID-19への敏捷性 & レスポンス賞受賞:フォーチュン・ブランズ・ホーム & セキュリティー社


COVID-19への機敏な対応
COVID-19パンデミック時において、迅速かつ協力的な対応で、従業員の安全を確保


 2021年デューティ・オブ・ケア・アワードでCOVID-19への敏捷性 & レスポンス賞を受賞したフォーチュン・ブランズ・ホーム & セキュリティー社(以下、FBHS)は、COVID-19パンデミック時において従業員の安全を確保するための多層的なアプローチを構築しました。
FBHSは、キッチン、バスルーム、玄関、屋外のスペースなどの住宅設備やセキュリティ製品を製造する米国のトップメーカーです。米国を本拠地としており、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、中国、日本などにも製造・販売拠点を有しています。


 FBHSの総報酬担当副社長のMargaret Reddickさんは、次のように状況を説明します。
「安全は、私たちの最優先事項です。パンデミックの間、25,000人以上の従業員の健康とウェルビーイングを守るため、迅速かつ積極的な行動をとりました。このような迅速かつ協力的な取り組みにより、安全で快適な住まいがかつてないほど重要な時期に、何百万人もの人々に向けた弊社の家庭用製品の製造を継続することができました。」


リーダーシップと経営陣の深い関与
 パンデミックの期間中、組織全体のリーダーやマネージャーが、下記のような様々な取り組みにおいて重要な役割を果たしました。


1. 協力的なプロジェクト管理オフィス(PMO)
 2020年3月初旬、課題、機会、トレンドを検討するため、そして情報交換と成功事例の共有のために、PMOが創設されました。その中には、部門横断的な数十人のリーダーも含まれていました。


2. 模範を示す
 リーダーやマネージャーは、安全な行動の見本を示しました。マスクをした自分の写真を、工場の壁やテレビのスクリーンに貼ったり、従業員アプリやSNSに投稿しました。彼らはまた、ワクチン接種をした際には、接種の理由も併せて共有しました。


3. リーダーシップの対話集会
 対話集会では、COVID-19に対するビジネスの対応と、各リーダーがどのように貢献できるかを話し合いました。2020年4月から2021年2月の間に、FBHSのCEOは、バーチャル対話集会をライブで7回開催しました。各ビジネスユニットのトップもまた、それぞれバーチャル会議を開催しました。


関係者の積極的な関与
 繰り返しになりますが、私たちは従業員の安全を確保するために、多層的なアプローチをしました。


1. 職域接種とワクチン支援
 地域の保健所や医療機関との連携により、2021年4月までに、22カ所以上の出張ワクチンクリニックを開設し、約1,500名の従業員が容易にワクチン接種をすることができました。その後、職場と遠隔地の両方に、さらにクリニックを開設しました。
ワクチン接種の予約やワクチンの安全性に関するアドバイス、その他の情報へのアクセスに関して、従業員を支援しました。FBHSは、従業員にワクチン接種を強く勧め、勤務時間内に予約した場合には有給休暇を付与しました。


2. 安全手順とメリットの強化
 勤怠規定が緩和され、従業員はより柔軟に勤務できるようになりました。FBHSの施設での感染リスクを管理するため、接触者の追跡と検疫に関する厳格なプロセスが規定されました。米国での流行のピークに対応して、マスク着用が義務づけられ、また福利厚生の一環として4カ月間、すべての遠隔医療を無料で利用できるようになりました。


3. マスク
 イントラネットやSNSを使って「マスクってクール」キャンペーンを開催しました。1カ月のキャンペーン期間中、200枚近くのマスクをした写真が、従業員から投稿されました。


4. 個人用防護装備の支給
 パンデミックの初期に、FBHSはマスク、体温計、手指消毒剤、ノー・タッチツール* などの健康キットを、全従業員に配布しました。3Dプリンターを導入しているいくつかの施設では、フェイスシールドを作って、地元の病院や救急隊員に寄付しました。また、ほかの拠点では従業員の家族のために、手指消毒剤を作ったり、ボトルに詰め直したりしました。
*ドアを開けたり、ボタンを押したりする際に、手や指の代わりに使える道具


5. 家庭での検査
 従業員には、家庭用検査キットが用意されました。


6. 働き方改革
 パンデミックの最初の1カ月間、従業員は可能な限り在宅勤務するよう義務づけられました。規制が緩和された際には、オフィスでもFBHSの工場と同様の安全対策がとられました。


7. こまめなコミュニケーション
 従業員用アプリはかなり進化し、安全に関する注意喚起に加え、CDC(米国疾病予防管理センター)などの信頼できる情報源からのガイダンスも提供しました。チームリーダーは、毎日の打ち合わせと工場の会議で安全性を強調し、すべての施設にCOVID-19安全標識を掲示しました。


8. 職場外での安全を奨励
 「COVID-19に負けないぞ」塗り絵コンテストでは、英語版、スペイン語版、フランス語版が用意され、家庭での子供たちの教育に貢献しました。「マスクってクール」キャンペーンについてのコメントと、ワクチンクリニックについてのコメントも、SNSで共有されました。
2020年末の時点で、時間単位の生産に不可欠な役割を担っている12,000名以上のFBHSの従業員のCOVID-19の感染率は、米国の平均を大きく下回っていました。FBHSの労働災害統計指標*1は1.20、休業労働災害度数率*2は0.40と、いずれも好調を維持しました。
*1 TRIR(Total Recordable Incident Rate):20万延労働時間当たりの不休災害を含む災害件数
*2 LTIR(Lost Time Incident Rate):休業労働災害の総件数に100万件を乗じて算出し、その年の全従業員の延べ労働時間で割ったもの


Jennifer Ratajさんは、次のように締めくくります。
 「パンデミックを機に、皆様が今まで以上に家庭を重視されるようになったため、弊社製品への需要が高まり、安全性への配慮は極めて重要なものとなりました。私たちの取り組みは、明確な利益と長期的な働き方への適応という成果をもたらしました。
私たちは、導入したいくつかの安全対策を継続するとともに、可能な限りオフィスや生産部門の従業員に対する柔軟性を高めていきます。さらに、組織全体でバーチャルなリーダーシップ対話集会を開催し、バーチャルとビデオ会議ツールを活用していくつもりです。」


成功要因
• 従業員を激励し経験を共有するために、リーダーたちが終始お手本として、密接に関わったこと。
• マスクの着用、ワクチン接種、健康キットなどの安全手順を早い段階から導入したこと。
• 従業員とその家族に対して、職場や家庭でのアドバイスやサポートを継続していること。


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