ケーススタディ
パキスタン空域閉鎖で多拠点企業の国外退避を支援【事例】
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2025年4月に、インド管理化のカシミール・パハルガムで起きたテロ事件が、翌月、インド軍のカシミールへのミサイル攻撃と、パキスタンによる報復攻撃に発展しました。
こうした中、突如パキスタンの空域が閉鎖され、多数の航空便が欠航しました。これによりパキスタン国内に滞在していた複数の企業様の従業員は、国外脱出が難しい状況に陥りました。
医療・セキュリティ・渡航リスク管理の支援を専門とするインターナショナルSOSは、従業員がパキスタンに滞在している企業様のうち3社から、緊急避難の支援要請を受けました。そこで、異なる拠点にいる複数の従業員を一度に支援する脱出計画を実施することとなりました。
ドバイに拠点を置くインターナショナルSOSの、渡航、セキュリティ、オペレーションの各分野の専門家で構成されたチームが主導して、空路・陸路・地域ネットワークを組み合わせた、多層的な緊急対応が実施されました。
以下のような工程で移動を支援するために、専門家チームは、航空機と陸路の移動手段を直ちに確保しました。
インターナショナルSOSのドバイにいる専門家チームが、パキスタンの各地からイスラマバード空港へ向かう安全な移動手段の確保と、空域制限に対応したチャーター便の調達を迅速におこないました。
まずはラホールとイスラマバード北部にいた3社の従業員を、安全が確認されたイスラマバード市内のホテルに警備付き車両で集約し、それからイスラマバード空港まで7名全員を同じく警備付き車両で移送しました。
各社ごとの支援ニーズに配慮しながらも、3社の従業員を1機のチャーター機に乗せることで、全従業員が同時にパキスタンからドバイへ国外退避することができました。
ドバイ到着後には、ドバイ・アシスタンスセンターの専任チームが従業員たちを迎え入れ、各人を最終目的地まで安全に送り届けました。
突然の空域制限下においても、緊張が高まってから2日以内、ホテル集約から国外退避までは24時間以内に、支援要請のあった7名全員の避難を完了することができました。
さらに、各クライアントの要望を尊重しつつ、三社の従業員を同じチャーター機で移送することにより、迅速かつコスト効率の高い国外退避を実現しました。
本事例は、インターナショナルSOSが持つ信頼性の高い現地パートナーとの強固ネットワークと、極限状態における専門家チームの精緻な調整能力の高さを示すものとなりました。
今回のような事例は、まさに地政学的リスクによる空域閉鎖が、自然災害のように突発的に発生しうることを示しています。避難や移動の迅速な対応が、従業員の安全を守るために、いかに重要かが再認識されるものとなりました。