ラマダンの聖なる月が近づくにつれ、世界中のイスラム教徒が精神的な内省と断食の準備を始めます。正確なラマダン開始日は新月の見え方によって決定され、開始予定日近くに確定されます。今年は3月10日に開始となりました。
断食の開始時間(イムサク)と終了時間(イフタール)は、それぞれ日の出と日の入りの時刻によるため、断食時間は場所によって異なり、さらに断食期間中に徐々に長くなります。この期間中には、個人的な深い成長が期待できますが、肉体的・精神的な健康にも重点を置いて取り組むことが重要です。
弊社メディカルチームは次のようにアドバイスします。
「今年のラマダン期間は、こころの健康とウェルビーイングを優先することが重要です。ラマダンの聖なる月は、多くの方々にとって精神的な反省と成長の時期です。一方で、日々のルーティーンの変化と断食による肉体的要求の変化が、従業員の精神的および身体的なウェルビーイングに影響を及ぼすと認識することが重要です。組織は、彼らの健康とウェルビーイングを守り、そしてより包括的で理解のある職場環境を育くむことにより、従業員がラマダン期間を乗り越えられるようサポートできます。」
「スホール(日の出前の食事)とイフタールの間の十分な水分補給とバランスの取れた食事は非常に重要です。睡眠を優先し、仕事、休息、レジャーの健康的なバランスを確保することも、ラマダン中の健康を維持するために、同様に重要です。」
また、弊社セキュリティチームは、ラマダン期間中の安全確保の重要性について強調しています。「イスラム教の聖なる月であるラマダンは、世界中のイスラム教徒にとって重要な期間です。中東や北アフリカの多くの国々では、地元の企業や官公庁がこの期間に合わせて勤務時間を調整します。モバイルワーカーや外国人居住者は、ラマダン期間中の滞在地における文化的規範や慣習に慣れておく必要があります。例えば断食をしない方も、日中の公共の場での飲食や喫煙を控えるよう求められる国もあるからです。」
さらに、「断食明け前の1時間は、道路が特に混雑する可能性が高いです。また、特にラマダンの終わりを告げるイード・アル=フィトル中は、この地域の多くの国々で祝日となっており、集会や祝賀行事に参加する際には、状況確認と軽犯罪への対策が必要です。」とも述べています。
ラマダンの終わりは、イード・アル=フィトルの祝祭です。イスラム教徒は通常、早朝に地元のモスクでイードの礼拝を行い、一日中家族や友人と盛大な祝宴を催します。
ラマダンの断食を行う従業員をサポートする組織の皆様へ:インターナショナルSOSからの5つのヒント
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オープンな環境を育む:
職場での宗教的行事に関する明確で包括的な方針を定め、オープンなコミュニケーションを奨励しましょう。それにより、従業員の個人的な信条を尊重し、ラマダン期間中のイスラム教徒のニーズについて安心して話し合うことができます。 -
従業員が健康とウェルビーイングを優先するようにする:
断食していない時間帯に水分補給を行い、スフールとイフタールの間に栄養価の高い食事を摂るよう、従業員にリマインドしましょう。断食中の身体に水分を補給し、その水分を長く維持する最善の方法は、段階的な水分補給です。イフタールとイムサクの間に、一度にコップ1~2杯、少なくとも計2リットルの水を摂取して、水分摂取のペース配分をしましょう。また、質の高い睡眠は、職場のパフォーマンスに欠かせないエネルギーレベル、精神的な明晰さ、集中力の維持にも不可欠 -
柔軟な勤務体制を推進する:
個人のニーズに合わせて始業・終業時刻を調整するなど、柔軟な勤務体制を提供するよう検討しましょう。また、従業員がより多くの休憩を必要とする場合や、祈りのために休憩時間を調整する必要がある場合にも理解を示しましょう。 -
リソースを提供する:
推奨される食事のガイドラインや、断食中のエネルギーレベルを維持するためのヒントなど、ラマダン中の健康的な習慣についてのリソースや情報を提供しましょう。これにより、従業員のウェルビーイングへの配慮を示し、この重要な時期に彼らが適切な情報に基づいた選択をすることをサポートします。 -
メンタルヘルスのサポートを提供する:
ラマダン中の断食や日常生活の変化がこころの健康に影響を及ぼす可能性を理解しましょう。ラマダン期間中に従業員がメンタルヘルスを優先するために必要なサポートを提供しましょう。従業員サポートプログラム(EAP)などの組織が提供するメンタルヘルスリソースを活用するよう従業員に奨励したり、ストレス管理や感情的なサポートのための外部リソースについての情報を提供しましょう。。
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